建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録する技能者にとっての大きなメリットの一つがこの能力評価制度です。
技能者の技能・経験・資格等によって能力評価基準に基づいて、分野(電気工事・造園・左官等、全38分野)ごとの能力評価実施団体が評価を行います。
この判定がいわゆるレベル判定(技能者の能力評価制度)です。
レベルは4段階に分かれていて、その内容は以下の通りです。
レベル | レベルの目安 | 判定件数(2023/1/31現在) | 前月比 |
---|---|---|---|
レベル1(白) | 初級技能者(見習い) | ー | ー |
レベル2(ブルー) | 中堅技能者(一人前) | 12,514件 | +412件 |
レベル3(シルバー) | 職長レベル | 11,786件 | +390件 |
レベル4(ゴールド) | 高度マネジメントレベル | 45,903件 | +363件 |
このレベル判定システムは、やや迷走気味の建設キャリアアップシステム(CCUS)の中でも特に迷走していまして、令和3年6月16日にシステムが停止、同年9月1日から各能力評価団体がレベル判定を受け付ける。というのが現在の状態です。
将来的には建設キャリアアップシステム(CCUS)で出来るようにしたい意向だとは思いますが・・・いつのことになるか不明です。
上に書いた表のような目安では、自分がどのレベルにいるのか非常に分かりづらいと思います。そこで、ものすごく大雑把ではありますが、何年位の経験年数でどのレベルにいるのか?の目安をお伝えしたいと思います。
あくまで目安ですし、その経験年数の中での技能の習得状況や資格の取得状況、また職種によっても変わります。年数を満たしていても必要な資格がない場合等はレベルアップが認められませんので、その辺りはご承知おきください。
レベル2・・・3年前後
レベル3・・・7年前後
レベル4・・・10年以上
ちなみに、経験年数1年は215日で換算されています。
この技能者の能力評価(レベル判定)ですが、実は技能者本人の申請はできません。
ということで、所属事業者(一人親方は本人)が代行申請をすることになります。
申請先については上述の通り、分野が38に分かれていますので、それぞれの分野ごとに評価実施団体があります。
そちらを経由してレベル判定の手続きをすることになります。
2022年9月30日現在の申請件数を見ても分かるように、まだまだレベル1のカードだけを持っている人が多いと思います。
ただ、2024年の4月以降はCCUS利用前の経験が能力評価(レベル判定)に組み込めなくなる予定ですレベルアップが可能な状況の方はお急ぎください。
面倒な登録作業をしてようやくキャリアアップカードを受け取ってほっとしたのに、もうこれ以上面倒な手続きなんてしたくないよ。
と思われるかもしれませんが、このレベルアップには技能者にとってはもちろん、事業者にとっても大きなメリットがあります。
レベルアップのメリット
・技能者にとっては、将来的に処遇・待遇の加算があり得る
・自分の技能レベルを客観的に示せるので、転職時に有利になる
・レベル3やレベル4の技能者を雇用している事業者は経審の加点がある
・レベル3以上の技能者を雇用していると元請に自社の施工能力を評価されやすい
レベルアップのデメリット
・面倒な手続きが増える
・費用がかかる
レベルアップ判定をするためには以下の条件を満たしていることが前提となります。もし、条件を満たしていない場合は、事前に条件を満たすための手続きを進めましょう。
・所属事業者が建設キャリアアップシステム(CCUS)に事業者登録をしていること
・技能者本人が建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者登録をしていること
・技能者の登録は詳細型でしていること
また、レベルアップ判定にあたっては、自分がどのレベルに該当するか分からないと申請ができません。本来であればレベル3に該当するはずの方が分からずにレベル2で申請をしてもほとんどの評価実施団体ではそのままレベル2で審査をします。
そのため自分がどのレベルに該当しているのか、特にボーダーラインにいてお悩みの方は所属事業者や私ども行政書士にご相談ください。
技能者一人当たり
レベル判定費用 3,000円、キャリアアップカード更新費用 1,000円
実費としてこれだけはかかります。
弊所にご依頼いただいた場合は、
技能者一人当たり 8,000円を頂戴しております。
複数人まとめて申請の場合は、ご相談ください。
職種ごとのレベル判定手続きについては以下に記載していきます。(ページ作成次第、随時追加の予定です。)